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ほったらかし投資術 要約|初心者が知るべき投資法の全て

本の基本情報

ほったらかし投資術 要約|初心者が知るべき投資法の全て
ジャンル 金融・ファイナンス
著者 山崎元
出版社 朝日新聞出版
出版日 2022年3月11日
評価
総合
4.7
可読性
4.8
実用性
4.9
深堀り性
4.2
あっぴー
あっぴー ライター詳細

著者プロフィール

山崎 元
1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商 事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経て現職に至る。現在 は、コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務める(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『お金とつきあう7つの原則』(ISBN-10:4584132135)が刊行された当時に掲載されていたものです)

水瀬ケンイチ
1973年、東京都生まれ。都内IT企業会社員にして下町の個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆、現在ではインデックス投資家のバイブル的ブログに。日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。著書「改訂版 お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)、「全面改訂第3版 ほったらかし投資術」(朝日新書・山崎元との共著)など。

https://www.amazon.co.jp/

本書の要点

  • ほったらかし投資術は、投資のプロに勝つことを目的とせず、一般人でも簡単に実行できる「インデックスファンド」への分散投資を推奨している。
  • 手数料が低いインデックスファンドに投資することで、ほとんどのアクティブ運用を上回る成果を得られる可能性が高い。
  • 3〜6ヶ月分の生活費を貯金し、余裕資金をインデックスファンドに投資することで、無理のない資産形成を目指すことが重要。
  • 投資は基本的に「ほったらかし」で良く、年に一度程度のリバランスを行うだけで安定した運用が可能である。
  • iDeCoやNISAといった税制優遇制度を活用し、より効率的に資産を増やすことを強く推奨している。

ほったらかし投資術の基本とは?

「ほったらかし投資術」は、忙しい人や投資初心者に最適な投資法です。最小限の手間で安定した収益を得ることができ、著者はインデックスファンドを活用した分散投資を推奨しています。プロに勝つことを目指すのではなく、長期的に安定した運用を目指すため、初心者でも簡単に実行可能です。これから紹介する方法を続けることで、あなたもほったらかしで資産を増やせる可能性があります。

  • 投資の手間をかけずに収益を得る方法
  • インデックスファンドを活用した投資法
  • プロに勝つ必要がない理由

投資を簡単にする「ほったらかし」の意味

「ほったらかし投資」とは、日々の株価の変動に振り回されることなく、長期的に資産を増やす投資法です。これに必要なことは、最初に投資先を決め、定期的に資金を積み立てるだけです。あとは、ほとんどの手間をかけずに運用できるのが特徴です。手間が少ないだけでなく、運用成績も安定しており、特別な知識がなくても続けられます。

投資初心者の方でも、難しい分析をする必要はありません。たとえば、株式市場全体に投資するインデックスファンドを選ぶだけで、個別株よりリスクを抑えた運用が可能です。日常生活に影響を与えることなく、長期的に資産を増やすことができるため、多くの人に支持されています。

インデックスファンドで世界に分散投資する

「ほったらかし投資術」の中心となるのが、インデックスファンドです。これは、世界中の株式に広く薄く分散投資するため、個別株投資のように当たり外れが少なく、平均的なリターンを狙うことができます。たとえば、世界中の株を0.0001株という小さな単位で購入し、全体の成長を享受する方法です。

市場全体に投資することで、リスクを分散し、長期的には市場の成長に合わせて資産を増やしていくことができます。これにより、日々の株価変動に悩まされることなく、精神的にも安定した投資が可能です。

プロを目指す必要がない理由

「ほったらかし投資術」は、投資のプロに勝つことを目指していません。むしろ、素人でもプロに近い成績を出すことを重視しています。個別株の選定や専門的な知識は必要なく、インデックスファンドを使うことで、誰でも簡単に同じ成果を得られる可能性があります。

プロの投資家は日々、市場を追いかけ、企業分析を行いますが、それは多くの時間と労力を必要とします。一方で、ほったらかし投資は手間が少ない分、時間に余裕が生まれ、他の趣味や本業に集中できるメリットもあります。

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ほったらかし投資の具体的な方法

「ほったらかし投資術」で紹介される方法は、手間が少なく安定した成果を期待できるインデックスファンドを中心に据えています。これにより、一般の人でも簡単に実行でき、投資のプロに負けない成果を目指せます。特に重要なのは、広く薄く世界に分散投資をする点です。以下では、この方法の具体的なステップについて詳しく解説していきます。

  • 世界中の株式に少しずつ投資する方法
  • インデックスファンドの手数料が低い理由
  • 毎月の積み立てを続けるメリット

世界中の株式に広く薄く投資する

「ほったらかし投資術」で推奨されているのが、世界中の株式市場に分散して投資する方法です。個別株に投資するのではなく、インデックスファンドを通じて世界全体の経済成長に対して投資するという考え方です。インデックスファンドを使うことで、一部の企業に集中して投資するリスクを避け、安定した成果を得られる可能性が高まります。

この投資方法は、個別企業の業績に一喜一憂することなく、全体の経済成長に対して幅広く投資するため、リスクを低減できるのが特徴です。また、インデックスファンドを使うことで、手間をかけずに市場全体に投資できるため、日常の生活に影響を与えることなく、資産形成を進められます。このように、手間をかけずに安定した投資成果を得ることが、ほったらかし投資の最大の魅力です。

インデックスファンドの手数料が低い理由

インデックスファンドの大きな魅力の一つは、その低い手数料です。アクティブ運用型の投資信託に比べて、インデックスファンドは市場全体に投資するため、運用コストが抑えられます。運用会社が個別企業を分析して売買する必要がないため、手数料が低く、その分、投資家の利益に直結します。

また、手数料が低いということは、長期的に見て大きな差を生むことになります。たとえば、年に1%の手数料がかかるアクティブ運用型の投資信託と比べ、インデックスファンドでは0.1%の手数料で済む場合があります。数年単位ではその差はわずかでも、長期にわたって積み立てると、最終的なリターンに大きな影響を与えることになります。手数料を抑えた投資が、いかに重要か理解できるでしょう。

毎月の積み立てを習慣化する重要性

「ほったらかし投資術」では、毎月定額を積み立てていくことが成功の秘訣とされています。この手法は、ドルコスト平均法と呼ばれ、価格が高い時も安い時も一定額を購入することで、長期的に見て平均的な購入価格が抑えられる効果があります。市場が乱高下している時でも、冷静に積み立てを続けることで、投資の成果を安定させることができるのです。

積み立て投資は、自分で運用タイミングを考える必要がないため、ストレスを感じることなく投資を続けることができます。毎月のルーチンとして積み立てを行うだけで、徐々に資産が増えていくので、日々の株価に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成に取り組めます。

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インデックス投資の手間と時間

「ほったらかし投資術」の大きな魅力は、投資にかける手間が非常に少ないことです。インデックスファンドを活用すれば、日々の株価を追いかける必要はなく、ほとんどの管理が自動化されます。これにより、投資を始めた後は、最低限の時間で資産運用を続けられます。また、リスク管理の面でも安心感があります。以下では、具体的にインデックス投資がなぜ手間が少なく、効果的なのかを詳しく解説していきます。

  • 手数料が少ない投資の魅力
  • 投資後はリバランスのみで簡単管理
  • 市場変動時のリスク管理方法

手数料が少ない投資のメリット

インデックスファンドの最大の特徴は、その低コストです。個別株やアクティブファンドと比べて、インデックスファンドでは売買の頻度が低く、分析や調査にかかるコストも少ないため、手数料が格段に安くなります。この手数料の低さが、長期的なリターンに大きく影響します。投資額が増えても手数料は比例的に上がらないため、資産を効率よく増やすことが可能です。

手数料が低いことは長期運用にとって非常に重要なポイントです。例えば、アクティブファンドに年間1%の手数料がかかるのに対し、インデックスファンドでは0.1%前後です。これにより、10年、20年と積み重ねると大きな差が生まれます。投資初心者でも、この手数料の低さによって安心して投資を続けることができるでしょう。

投資後はリバランスのみで管理

インデックス投資のもう一つの大きなメリットは、投資後の手間がほとんどかからない点です。基本的に、投資を始めたらそのまま放置して問題ありません。ただし、年に一度程度のリバランスを行うことで、資産のバランスを整え、リスクを管理します。リバランスは、資産のうち、増えすぎた部分を一部売却し、減っている部分に再投資することで行います。

この作業は年に一回程度でよく、日々の株価変動に左右されることなく、安心して運用を続けられるのです。特に忙しい人にとって、頻繁にチェックをする必要がないことは大きな魅力です。リバランスだけを定期的に行うことで、最適な資産配分を維持し、リスクを管理することができます。

市場変動時のリスク管理方法

投資は常にリスクが伴いますが、インデックス投資ではリスクを分散できる点が大きな強みです。市場全体に広く投資することで、一部の企業やセクターの不調が全体に大きな影響を及ぼしにくくなります。また、世界中の経済に投資することで、特定の地域に依存せずにリスクを軽減できます。仮に一部の国や業界が不調でも、他の地域や業界が成長する可能性があるため、長期的に見て安定した成果が期待できます。

市場変動により、一時的に資産が減少することもありますが、焦らずに投資を続けることが重要です。インデックス投資の基本は「ほったらかし」です。目先の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で見れば、安定した成長が期待できるため、資産形成に適しています。

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生活資金とリスク資産の分け方

「ほったらかし投資術」では、投資を始める前に、まず3〜6ヶ月分の生活資金を確保することが重要とされています。この資金は、急な出費や予期せぬ事態に備えるためのもので、投資に使うべきではありません。また、生活資金をしっかりと確保することで、精神的にも余裕ができ、安心して投資を続けられるようになります。次にリスクを取って投資できる額を計算し、それを「リスク資産」として運用します。

  • 生活費を3〜6ヶ月分確保する理由
  • リスクを取れる資産の見極め方
  • 借金を避けるための重要なポイント

3〜6ヶ月分の生活費を確保する理由

投資を始める前に、まず3〜6ヶ月分の生活費を現金として確保することが大切です。これにより、万が一の急な出費や収入の減少があっても、生活に支障をきたすことなく対応できます。たとえば、家の修理費用や病気による医療費が発生した場合でも、この生活資金があれば、投資を慌てて引き出す必要がなくなります。

また、生活費を確保しておくことで、投資に対する心理的な不安も軽減されます。投資の成果は短期的には不安定なことがあるため、余裕を持ってリスクを取るためには、生活資金の確保が不可欠です。このように、日常の安心感を得ながら長期的な資産形成を目指すためのステップとして、まずは生活費を確保することを意識しましょう。

リスクを取れる資産を明確にする

生活資金を確保したら、次に「リスクを取れる資産」を明確にしましょう。これは、仮に投資が大きな損失を被った場合でも、自分が生活に困らない額を指します。たとえば、著者の山崎さんは、損失を考慮した場合に月1万円減っても問題ない金額を360万円としています。この考え方を基に、自分がリスクを取れる範囲を計算し、その範囲内で投資を行います。

リスクを取れる資産を見極めることは、無理なく投資を続けるために非常に重要です。自分に合ったリスク範囲を設定することで、投資がうまくいかない場合でも、冷静に対処できるようになります。特に長期投資では、短期的な変動に一喜一憂しない姿勢が求められるため、事前にリスク資産を明確にすることが成功の鍵となります。

借金と投資を絶対に混同しない重要性

「ほったらかし投資術」では、借金をして投資を行うことを強く避けるべきとされています。特に、クレジットカードのリボ払いなどの高金利の借金をして投資を始めると、投資のリターン以上の金利を支払わなければならなくなるため、逆に損をするリスクが高まります。借金に手を出さず、あくまで自分の余剰資金で投資を行うことが、長期的な成功に繋がります。

また、投資は必ず利益が出るとは限らないため、借金をして投資を行うと、損失が出た際に返済が難しくなり、財政的な悪循環に陥る可能性があります。こうしたリスクを避けるためにも、必ず生活資金を確保した上で、自分の余剰資金だけを使って投資を始めることが大切です。

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余剰資金での投資と国債の活用法

「ほったらかし投資術」では、生活資金とリスク資産を確保した後に、さらに余剰資金があれば、それを国債に投資することが推奨されています。国債は、リスクが非常に低く、ほとんど安全な投資先です。また、銀行預金よりも安全性が高いとされており、資金を安定させるために活用できます。ここでは、国債の利点とその利用方法、そして資産をさらに分散するための戦略について詳しく説明します。

  • 国債と銀行預金の違いと安全性
  • リスク資産と無リスク資産のバランス
  • 余剰資金を運用する際の選択肢

国債と銀行預金の違いを理解する

国債は、政府が発行する借金の一種であり、特に「個人向け国債」は、一般投資家向けに発行される安全性の高い投資商品です。銀行預金と比較されることが多いですが、国債は基本的に国が破綻しない限り元本保証がされており、銀行が倒産しても返金される上限額が決まっている預金保険制度よりも信頼性が高いとされています。特に、大きな資金を一度に運用する場合、国債はリスクを抑えつつ、資金を守るのに適した選択肢です。

例えば、銀行に1億円以上を預けた場合、その全額が保証されるわけではありません。銀行が破綻した場合、預金保険制度によって返還されるのは1,000万円までです。しかし、国債の場合はそのような制限がなく、資金全額を安全に運用できるという大きなメリットがあります。これが「ほったらかし投資術」で推奨される理由です。

リスク資産と無リスク資産の配分

「ほったらかし投資術」では、リスクを取って投資する部分と、リスクを避ける部分をしっかりと分けることが重要とされています。リスク資産は、世界中の株式に分散して投資し、高いリターンを狙う部分です。一方、無リスク資産として国債や銀行預金を活用し、リスクを抑えた安定した資産を保有します。このように、リスク資産と無リスク資産を適切にバランスすることで、安心して長期的な資産運用ができるようになります。

例えば、生活費の6ヶ月分を確保した後、残りの資金をリスク資産と無リスク資産に分けることを提案しています。リスクを取って運用する部分は、世界中に分散した株式ファンドに投資し、無リスクの資産は国債に投資することで、バランスの取れたポートフォリオを作り上げることができます。これにより、どちらの資産が損失を被っても、他の資産がその損失を補う仕組みを作ることができるのです。

投資余剰金をどこに置くべきか

「ほったらかし投資術」では、生活資金とリスク資産を確保した上で、さらに余剰資金がある場合、無駄に銀行口座に眠らせず国債に投資することが推奨されています。これにより、余った資金を安全に運用し、少しでも資産を増やすことができます。国債は市場の影響を受けにくいため、リスクを取りたくない場合には最適な選択肢です。

また、国債は途中で売却することも可能ですので、急に資金が必要になった時にも柔軟に対応できます。特に、「個人向け国債 変動金利型10年満期」はおすすめされており、金利の変動に応じて利息が変わるため、将来的な利率上昇にも備えられます。国債を活用することで、余剰資金を無駄にすることなく、安全に資産運用を続けられますよ。

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ほったらかし投資術で始める安定した資産運用

今回の記事では、「ほったらかし投資術」の要約を通して、初心者でも簡単に実践できる投資方法について紹介しました。

この記事のポイントをまとめました。最後におさらいしましょう。

  • 世界分散でリスクを抑えた資産運用
  • 生活資金を確保した上で無理なく投資を始める
  • 国債の活用で余剰資金も賢く運用

リスク管理と効率的な資産運用のために、リバランスと積み立てを習慣化するのが重要です。

投資初心者でも無理なくスタートできるよう、この記事を参考に実践してみてください。

この本を通じて、将来の資産運用に自信を持てるようになるはずです。

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