本の基本情報
ジャンル | スキルアップ・キャリア |
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著者 | 菅原洋平 |
出版社 | 河出書房新社 |
出版日 | 2019年12月17日 |
評価 |
著者プロフィール
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。
https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%96%B2%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%8C%E6%AF%8E%E6%97%A5%E7%B6%9A%E3%81%8F-%E4%BC%91%E3%81%BF%E6%96%B9%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-%E8%8F%85%E5%8E%9F%E6%B4%8B%E5%B9%B3/dp/4309249426
1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。
民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。
その後、脳の機能を活かした人材開発を行うビジネスプランをもとに、ユークロニア株式会社を設立。
現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当するかたわら、
企業研修を全国で展開し、その活動はテレビや雑誌でも注目を集める。
著書に13万部突破『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、
12万部突破『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な"方法』(文響社)など多数。
本書の要点
- 脳のエネルギーを無駄遣いしないためには、「認知コスト」を減らすことが重要。これは、脳が不必要な情報や決断にエネルギーを使わないように工夫することで実現する。
- 生態リズムを整えるために、朝の光を浴びることや起床から6時間後の計画的な仮眠を取り入れると、1日の疲労を軽減しやすくなる。
- 次の作業に少し手をつけて仕事を終える習慣をつけることで、先延ばしによる脳の疲労を減らし、スムーズに作業を再開できるようになる。
- 机の整理整頓や作業環境の改善(例えば、緑の香りを取り入れること)によって、脳が余計なことを考えない環境を整え、効率的に働ける。
- 長時間同じ作業をしないように、作業を細かく区切りながら進めることで、集中力を維持し、認知コストの浪費を防ぐことができる。
【疲れない】毎日を作るための基本知識
疲れにくい毎日を作るためには、まず脳の働きに注目することが重要です。本書では「認知コスト」を減らし、効率的な休み方や働き方を提案しています。生態リズムを整えることや環境改善の具体的な手法を解説し、日々の疲労を軽減する方法を体系的に学べます。次の章では「認知コスト」や「生態リズム」について掘り下げていきます。
脳の疲れを軽減する「認知コスト」とは?
脳が疲れる主な原因は、決断や思考の繰り返しでエネルギーが消費されることにあります。このエネルギーのことを「認知コスト」と呼びます。たとえば、散らかった机や終わらせていないタスクを目にするだけで、「片付けなきゃ」「後でやろう」といった小さな決断を脳が強いられます。こうした状況が続くと、脳は必要以上にエネルギーを消費し、作業効率が落ちてしまいますよね。
認知コストを減らすには、「考えなくてもいい環境」を作ることが大切です。デスク周りを整頓したり、次にやる作業を明確にしておくなどの工夫が効果的です。こうした工夫により、余計なことを考えずに大切な作業に集中できるようになります。
脳のエネルギーを無駄遣いしない働き方
脳が効率よく働くためには、エネルギーを無駄に使わない働き方が求められます。たとえば、次のタスクに少しだけ手をつけてから作業を終える習慣を持つと、先延ばしが減り、次の仕事をスムーズに始められます。この小さな行動が、脳への負担を大幅に軽減するんです。
また、1日の中で何をするかを事前に計画しておくことも重要です。「考える手間」を事前に省くことで、認知コストを節約し、必要な場面でエネルギーを最大限発揮できるようになります。
生態リズムを整える重要性
生態リズムとは、体が自然に持つ1日のリズムのことです。このリズムが乱れると、日中の疲労感が増し、仕事にも影響を及ぼします。著者は、生態リズムを整える最も効果的な方法として「朝の光を浴びる」ことを提案しています。朝、窓の近くで光を浴びると、脳が新しい1日の始まりを認識し、リズムが整います。
さらに、昼間に計画的な仮眠を取ることで、午後のエネルギーダウンを防げます。これらの習慣を取り入れることで、疲れにくく、効率的な1日を過ごせるようになりますよ。
効率的な時間管理で「疲れない」を実現
疲れを減らすには、時間の使い方を工夫することが大切です。本書では、生態リズムを整える方法や、午後の集中力を保つ仮眠の取り方を解説しています。加えて、タスク管理を改善することで、時間の無駄遣いを防ぎ、効率的に働けるようになるポイントも紹介されています。
朝の光で1日のリズムをスタート
朝の光を浴びることは、1日をスムーズにスタートするための重要な習慣です。特に、起床後1時間以内に自然光を浴びると、脳内の生体時計がリセットされ、理想的なリズムを維持できます。窓から1メートル以内で光を取り入れると効果が高いですよ。
多くの社会人は、朝からダルさを感じることが多いですが、その原因は生態リズムの乱れにあります。リズムが整っていないと、脳が1日を始める準備が整わず、エネルギー効率が低下してしまうんです。この本では、朝の光がその問題を解決する手助けになると強調されています。
日中の活力を保つためにも、習慣として取り入れることをお勧めします。朝食前にカーテンを開けて光を浴びるだけでも、リズムを整える第一歩になりますよね。
計画仮眠で午後の集中力を取り戻す
午後の仕事をスムーズに進めるためには、仮眠が効果的です。起床から約6時間後のタイミングが理想的で、たとえば朝7時に起きた場合、13時頃に仮眠を取ると良いです。
仮眠は、眠気を防ぐだけでなく、その後の作業効率を向上させるメリットもあります。ただし、30分以上の仮眠は避けるべきです。なぜなら、深い睡眠に入りすぎると目覚めが悪くなり、逆に疲労感を増す可能性があるからです。仮眠後はすっきりと目覚められる時間に調整しましょう。
自宅勤務の人であれば、自分専用の静かな部屋で短時間目を閉じるだけでも効果を感じられるはずです。オフィスであれば、昼休み中に目を閉じる習慣を作るのも良いですね。
時間の無駄遣いを防ぐタスク管理法
時間を効率よく使うためには、タスク管理が欠かせません。本書では、タスクを小分けにして計画的に取り組む方法が推奨されています。具体的には、ToDoリストを机上に置かず、見たいときだけ確認する工夫が効果的です。
視界に余計な情報が入ると、それだけで認知コストが増えます。つまり、目の前の作業に集中しきれなくなり、思考が分散してしまうんです。そのため、タスクはメモにまとめ、必要なときだけ確認するのが良いですよ。
さらに、1日のスケジュールを事前に組み立てておけば、次に何をするべきか迷う時間も削減できます。これにより、脳のエネルギーを大切な作業に集中させることが可能になりますね。
脳が疲れない環境を整えるコツ
日常の環境が脳に与える影響は大きいです。本書では、脳の認知コストを減らすために「散らかった机を整理する」「緑の香りを活用する」などの具体的な方法を提案しています。これらの工夫によって、疲れにくい環境を整え、効率的に仕事ができるようになります。
散らかりはNG!机の整理整頓が鍵
散らかった机は脳に余計な負担をかけます。たとえば、資料やメモ帳が机の上に散乱していると、それを見ただけで「あれを片付けなきゃ」と無意識に思考を使ってしまいます。これが脳の認知コストを増やし、結果として疲れやすくなってしまう原因なんです。
机の整理整頓の第一歩は「必要のないものを捨てる」ことです。使っていない文房具や古いメモ帳などを一度見直してみましょう。デスク上に置くのは、作業に必要なものだけにするのがおすすめですよ。
また、机がきれいだと集中力も上がります。きれいな環境が気分をリフレッシュさせ、仕事へのやる気を引き出してくれるからです。机を片付けるだけでこんな効果があるなら、試さない理由はありませんよね。
緑の香りでリフレッシュ効果を高める
緑の香りには、脳の疲れを和らげる効果があることが科学的に示されています。この香りは森林浴に似たリラックス効果を持ち、集中力や作業効率を向上させると言われています。
簡単に取り入れる方法としては、緑の香りのするアロマや芳香剤をオフィスに置くことです。特に、自宅勤務の方は、デスク近くに観葉植物を置くことで、香りだけでなく視覚的にもリラックス効果を得られます。これらの工夫は、ストレスを軽減するだけでなく、脳に心地よい刺激を与えてくれるんです。
さらに、自然の香りは短時間で効果を感じられるのが魅力です。仕事の合間にこの香りを取り入れるだけで、午後の疲れが軽減し、作業への意欲が戻りますよ。
健康的な「立ち作業」のメリット
長時間座って作業を続けるのは、体に大きな負担をかけます。それだけでなく、座りすぎは死亡リスクの上昇とも関連があることが研究で明らかになっています。本書では、健康的な働き方として「立ち作業」を取り入れることを提案しています。
立ち作業のメリットの一つは、余計な行動を抑制できる点です。座りながらだと、ついスマホをいじったり、不要なネットサーフィンをしてしまいがちです。一方、立ち作業では自然と「早く終わらせよう」と集中力が高まります。
さらに、立つことで血流が良くなり、体全体の疲労が減る効果も期待できます。特に、自宅勤務で座りっぱなしになりがちな方には、スタンディングデスクの導入をおすすめします。身体に優しい働き方で、効率もアップさせましょう。
仕事の進め方を工夫して疲労を最小限に
脳の疲労を減らすには、仕事の進め方を工夫するのが重要です。本書では「次の作業に少し手をつけてから終える」「作業を細かく区切る」など、脳に優しい働き方を提案しています。こうした方法で、先延ばしや集中力低下を防ぎ、効率的な働き方を実現できますよ。
次の作業に手をつけて仕事を終える理由
仕事を効率よく進めるためには、「次の作業に少しだけ手をつけてから終える」ことが有効です。この方法は、次のタスクをスムーズに開始する準備になります。仕事の区切りを付けるとき、新しい作業を始めるのが面倒だと感じることはありませんか?これは、完全に新しい行動を始める際に、脳がエネルギーを多く使ってしまうからです。
たとえば、企画会議が終わったら、すぐに企画書の冒頭だけ書き始めてみましょう。この一手間で、次に作業を再開するときの負担が大幅に減ります。脳が「次にすること」を明確にイメージできる状態を作ると、仕事の再開が格段に楽になりますよね。
この方法は先延ばしの防止にも効果的です。「やらなきゃいけない」と思い続けることで認知コストを浪費するのを防げるからです。結果として、タスクを早く片付けられ、気持ちの余裕も生まれます。
作業を細かく区切ると集中力が続く
人間の脳は長時間の集中には向いていません。そのため、作業を短く区切り、リズムよく進めることで、集中力を持続させる工夫が必要です。研究によると、仕事中に関係のないことを考えてしまう「マインドワンダリング」は、認知コストを増大させる大きな原因となります。
この問題を防ぐためには、1つの作業を短時間で終わるように設定し、次々と切り替えて進めるのがおすすめです。長時間の作業を続けると、集中力が切れやすくなるだけでなく、脳が無駄なことを考え始めてしまうんです。これを避けるために、5分から15分で区切れるタスクを用意し、短い休憩を挟むと効果的です。
具体例として、企画書の見直しやメール返信といった軽めのタスクをメインの作業の間に挟む方法があります。これにより、脳の疲れを防ぎながら、効率的に作業を進められますよ。
マインドワンダリングを防ぐポイント
マインドワンダリングとは、作業中に無意識に他のことを考えてしまう現象です。これを防ぐには、作業環境や進め方に工夫を凝らす必要があります。特に「何をすればいいのか」を明確にしておくことが効果的です。
たとえば、作業開始時に「5分間で資料を確認する」と目標を具体的に決めると、脳はその短い目標に集中しやすくなります。また、作業中に次にやることを一時的に忘れることが多い人は、メモ帳にリストを書いておくと良いですよ。それを視界に入らない場所に置き、必要な時だけ見るようにすると認知コストが抑えられます。
さらに、音楽や環境音を利用するのも効果的です。カフェや自然の音を再現した音源は、脳をリラックスさせつつ集中を助けてくれます。これらの工夫を取り入れれば、マインドワンダリングを減らし、効率的に作業を進められるはずです。
疲れない毎日を作る具体的な方法を学ぼう
今回の記事では「疲れないが毎日続く休み方マネジメント」の要約と実践法について解説しました。この記事のポイントをまとめました、最後におさらいしましょう。
- 脳の疲労を軽減する認知コストの管理
- 生態リズムを整える時間の使い方
- 整理整頓や香りを活用した環境改善
本書は疲れない毎日を実現するための方法を具体的に示しています。働き方を見直したい人に役立つ内容です。この本を読めば、日々の疲れを軽減しながら、集中力を高めて効率的に働くヒントが得られます。ぜひ取り入れてください。次の一歩を踏み出したい方は、本書をチェックしてみましょう。
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