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「70歳が老化の分かれ道」要約|老化を遠ざけるために70代でできること

本の基本情報

「70歳が老化の分かれ道」要約|老化を遠ざけるために70代でできること
ジャンル 健康・医療
著者 和田秀樹
出版社 詩想社
出版日 2021年06月09日
評価
総合
4.4
可読性
4.7
実用性
4.6
深堀り性
4.0

著者プロフィール

和田秀樹

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784908170317

本書の要点

  • 70代でも働き続けることは、脳の老化を防ぎ、元気で活動的な毎日を保つ秘訣である。仕事は脳に刺激を与え、前頭葉の萎縮を防ぐため、何かしらの活動を続けることが推奨されている。
  • 趣味を持つことは、定年後の喪失感を克服する重要な手段となる。特に男性は退職後、自分を失ったと感じやすいため、老後も楽しめる趣味を若いうちから見つけておくことが大切。
  • 散歩など軽い運動を日常的に取り入れることは、運動機能を維持し、寝たきりになるリスクを減らす鍵である。また、日光を浴びることでセロトニンが分泌され、気分が明るくなり、うつ病の予防にもつながる。
  • 高齢になっても肉を食べることが推奨されている。肉に含まれるトリプトファンがセロトニンの分泌を促し、意欲を保つのに役立つ。コレステロールを気にしすぎる必要はないとされている。
  • 70歳以降は、健康管理や医療とのかかわり方を見直すことが重要である。特に、がんの手術や薬の使用については慎重な判断が必要で、体力を過度に消耗させないことが優先されるべきである。

「70歳が老化の分かれ道」とは?老化を遠ざけるためのポイント

「70歳が老化の分かれ道」という本では、70代をいかに過ごすかでその後の老化が大きく変わると強調されています。この時期に適切な行動を取ることで、80代以降も若々しく過ごすことができるのです。具体的には、働き続けることや趣味を持つこと、適度な運動、そして日光を浴びる生活習慣が老化を防ぐために重要です。これらの行動を取り入れることで、元気な老後を送るための基盤が築けます。

健康寿命を延ばすために70代で考えるべきこと

70歳を迎える頃には、多くの人が老化の兆候に直面します。この本では、健康寿命を延ばすために70代で何をすべきかについて具体的な提案がされています。例えば、70代で体力を維持するためには、運動習慣を日常に取り入れることが不可欠です。激しい運動は不要で、散歩やストレッチといった負荷の軽い運動でも十分に効果があります。

また、脳の衰えを防ぐためには、仕事や社会的な活動を続けることが推奨されています。これは、脳への刺激を与え、前頭葉の萎縮を防ぐためです。社会的なつながりを持つことで、精神的な健康も維持され、うつ病のリスクを減らす効果があります。70代でも積極的に動くことで、老後の生活が豊かになるのです。

70代で差がつく、元気な老後を迎える秘訣

70代に入ると、体力や気力が減少しがちですが、それでも元気で充実した老後を迎えることは可能です。この本では、そのための具体的な行動を提案しています。まず、日常的な運動が重要です。無理なく続けられる運動、例えば毎日の散歩が推奨されています。これにより、筋力が維持され、歩行能力が保たれます。

さらに、脳の健康を守るためには、社会との接触が欠かせません。ボランティア活動や地域のイベントに参加することは、心の刺激になり、脳の老化を遅らせる効果があります。趣味や楽しみを持つことも老後を楽しむ鍵です。

70代でも働き続けることが老化防止になる理由

「70歳が老化の分かれ道」では、70代に入っても仕事を続けることが、老化防止に大きな効果をもたらすと説明されています。仕事を通じて脳に刺激を与え、前頭葉の萎縮を防ぐことができるからです。働くことで人と交流する機会が増え、生活にメリハリが生まれます。また、社会的な役割を持つことで、自信を持って活動的に過ごせるようになります。たとえフルタイムでなくても、何かしらの形で社会に関わり続けることが、元気な老後を支える秘訣です。

働くことで脳が活性化する仕組みとは?

70代で仕事を続けることは、脳の健康維持に役立ちます。脳は新しい情報や問題に直面すると活発に働き、特に前頭葉はその際に大きな役割を果たします。前頭葉は思考や意思決定、記憶に関与しており、働くことを通じて日々の課題や他者とのコミュニケーションが刺激になります。このような脳の活動が続くことで、前頭葉の萎縮を防ぎ、老化の進行を遅らせる効果があります。

仕事を続けることで、単調な生活を避け、脳に多様な刺激を与え続けられます。たとえパートタイムやボランティアのような軽い形でも、働くことは脳を活性化する一助になりますよ。働かなくなると脳への刺激が急激に減少し、脳の機能が低下してしまう恐れがあります。ですから、老後の健康を維持するために、何かしらの形で働くことを検討することが重要です。

仕事以外にも活動する方法:ボランティアや地域活動のすすめ

70代で必ずしも職場に復帰する必要はありませんが、働くこと以外にも社会的な活動に参加する方法があります。たとえば、地域のボランティア活動や自治体の行事に参加することは、老化防止に効果的です。これらの活動では、他者との交流や新しい役割を担う機会が多く、脳に刺激を与える場になります。定期的に参加することで、心身ともに健康を維持しやすくなります。

地域社会に積極的に関わることで、孤立感を防ぎ、毎日の生活に楽しみを感じやすくなります。たとえば、マンションの管理組合の役員を務めたり、趣味のサークルに参加したりするのも良い方法です。これらの活動は、無理なく長期的に続けられるものが多いため、70代以降も元気で活動的な生活を送るための手段として非常に有効です。

働き続けることで得られる社会的つながり

働き続けることは、単に収入を得るためだけでなく、社会とのつながりを維持するという意味でも大切です。仕事をしていると、他の人との関わりが自然に生まれます。これにより、孤独感や社会的な孤立を防ぐことができます。特に年齢を重ねると、社会的なつながりが少なくなりがちですが、仕事やボランティアを通じて、人とのつながりを持ち続けることが、精神的な安定にもつながるのです。

社会的なつながりは、日常のモチベーションを高める役割も果たします。自分が誰かに必要とされ、役割を果たすことは大きな自己肯定感を生み、気力を維持する手助けとなります。70代でも社会とつながり続けることが、老後の生活を充実させ、健康な日々を送るための大きな要素となるでしょう。

趣味を持つことの重要性|定年後の喪失感を防ぐ方法

「70歳が老化の分かれ道」では、70代を迎える前に趣味を持つことの重要性が強調されています。退職後、肩書きや役割を失うことが原因で、多くの人がアイデンティティの喪失感に悩むことが少なくありません。特に男性に多いこの喪失感を防ぐためには、退職前から楽しめる趣味を見つけておくことが大切です。趣味があれば、仕事を辞めた後も生活に楽しみを見出し、精神的な健康を保つことができます。これが70代でも元気で充実した生活を送る秘訣となります。

老後の生きがいを見つけるために今すぐできること

退職後の人生を豊かにするためには、今から生きがいを見つけることが大切です。老後に「何かをしたい」と思っても、新しいことを始めるのは容易ではありません。気力や体力が衰え、意欲が低下しがちになるためです。そのため、若いうちに趣味や楽しみを見つけておくことが重要です。

たとえば、スポーツやアート、料理など、自分が興味を持つ分野に少しずつ挑戦するのが良いでしょう。また、趣味を通じて他の人と交流する機会が増え、社会的なつながりも広がります。趣味を持つことは、単なる余暇の過ごし方ではなく、老後の生活に活力を与え、心を豊かにする手段です。

趣味を見つけるためには、何も完璧を目指す必要はありません。初めてのことにも挑戦しやすい環境が整っていますので、気軽に取り組んでみると良いですよ。

趣味を持たないと感じる喪失感とは?

定年退職を迎えると、特に男性は肩書きや仕事を失ったことで喪失感を強く感じることがあります。これは、仕事を通じて培ったアイデンティティが、突然失われてしまうためです。長年勤めてきた会社の肩書きがなくなることで、自分の存在価値がわからなくなり、孤独感や無力感を覚える人も少なくありません。

このような状態に陥ると、精神的に大きなダメージを受けるだけでなく、生活の質も低下します。実際に、多くの人が退職後、気力を失い、活動的でなくなってしまうことが問題視されています。だからこそ、趣味を持つことが重要です。趣味があれば、仕事を失っても「自分にはこれがある」と自信を持ち続けられ、ポジティブな気持ちで生活できるようになるのです。

今から始めるべき趣味の見つけ方

「今さら新しい趣味なんて…」と思う人も多いかもしれませんが、老後の生活を充実させるためには、今からでも遅くありません。最初は何から始めれば良いのかわからないかもしれませんが、まずは自分が興味を持つことに少しでも手をつけてみましょう。

例えば、絵を描いたことがなければ、スケッチを試してみる。料理が好きなら、新しいレシピに挑戦してみるのも良いですね。最近では、インターネットを活用して様々なオンライン教室に参加することも簡単です。趣味を見つけることで、新しい自分に出会えるかもしれませんよ。

新しいことに挑戦する意欲さえ持てば、趣味は自然と見つかるものです。そしてそれが、70代以降の生活に大きな影響を与えることになるのです。

運動習慣を取り入れて元気な老後を過ごす

「70歳が老化の分かれ道」では、運動習慣を取り入れることが元気な老後を過ごすための重要な要素として強調されています。運動をすることで筋力を維持し、体の老化を遅らせる効果が期待できます。しかし、70代以降は無理な運動は逆効果になりやすいため、適度な運動が大切です。特に散歩や軽い運動は日常生活に取り入れやすく、続けやすい習慣です。これにより、体力だけでなく精神的な健康も向上します。

散歩がもたらす健康効果:無理なく続ける方法

散歩は70代に最適な運動法です。激しい運動は体に負担をかけることがありますが、散歩ならば自分のペースで無理なく続けられます。毎日の散歩によって、体を動かす習慣が自然と身に付きます。これにより、筋力が維持され、関節も柔軟に保たれます。特に脚力は老後の自立に大きく影響を与えるため、日々の散歩で鍛えることが効果的です。

さらに、散歩は心身にも良い影響を与えます。外に出ることで気分がリフレッシュされ、ストレス解消にもつながります。また、太陽の光を浴びることでセロトニンが分泌され、気持ちが明るくなる効果も得られます。これが精神的な安定やうつ病予防にも役立つため、散歩は身体だけでなく心にも良い影響を与える運動なのです。

毎日同じコースを歩くのではなく、違う道を選んだり新しい場所を散策したりすることで、脳にも良い刺激を与えることができますよ。散歩は特別な準備が不要で、どこでもすぐに始められる点が魅力です。

激しい運動は老化を促進?適度な運動の重要性

運動が良いと聞くと、つい無理をしてしまいがちですが、70代にとって激しい運動は逆効果になることもあります。特に、高負荷の運動は体の酸化を促進し、老化を早める原因となりかねません。強い負荷をかけると関節や筋肉にダメージを与える可能性が高く、ケガをしてしまうこともあるのです。

では、どうすれば良いのか。適度な運動こそが鍵です。日々の生活に無理なく取り入れられるような運動が理想です。例えば、散歩や軽い体操、簡単なストレッチなどが推奨されます。激しい運動よりも、毎日少しずつでも継続できる運動の方が、体にとって大きなプラスになります。

無理せず、自分のペースを大切にすることが70代以降の健康維持には欠かせません。運動の効果は続けることで得られるものですので、長期的な視点で考え、楽しみながら運動するのが一番ですよ。

階段を使う習慣で脚力を維持しよう

階段を使う習慣は、簡単に脚力を鍛えることができる方法です。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用することで、日常生活に筋力トレーニングを取り入れることができます。階段の昇り降りは、脚の筋肉を集中的に使うため、脚力維持に効果的です。特に、膝や太ももの筋肉をしっかりと鍛えることができるため、老後の自立にもつながります。

無理に何段も昇る必要はありません。まずは少しずつ、階段を使う回数を増やしていくのが良いでしょう。脚力を維持することで、転倒防止にもなり、いつまでも自分の足で歩ける体を保つことができます。階段の昇り降りは普段の生活の中で自然に行えるため、特別な時間を設けずに運動ができるのも魅力です。

日常の中で「少しだけ階段を使う」という意識を持つことで、大きな効果が期待できます。運動習慣は、無理なく取り入れ、継続していくことが老後の健康を支えるポイントになりますよ。

日光を浴びることで脳をリフレッシュする

「70歳が老化の分かれ道」では、日光を浴びることの大切さも強調されています。外出して太陽の光を浴びることで、心も体も元気になれるのです。太陽の光は、体内でセロトニンという「幸せホルモン」を分泌させ、気分を明るくし、やる気を引き出してくれます。また、セロトニンは夜になると、睡眠を促すメラトニンに変わり、深い睡眠を助ける役割も果たします。このように日光を浴びる習慣は、脳や心身のリフレッシュに非常に効果的です。

セロトニンの働きで気分が明るくなる理由

太陽の光を浴びると、脳内でセロトニンというホルモンが分泌されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心を落ち着かせ、前向きな気分を作り出す重要な役割を持っています。このホルモンがしっかり分泌されることで、気分が明るくなり、何事にも意欲的になれるのです。

特に高齢者になると、セロトニンの分泌が減少しやすくなります。そのため、日光を積極的に浴びてセロトニンの生成を促すことが、精神的な安定を保つためにも必要です。室内で過ごす時間が長くなると、セロトニンが不足してしまい、気分が沈んだり無気力になってしまうことがあります。

セロトニンは、うつ病や不安感を軽減する効果もあるため、毎日少しの時間でも外に出て太陽の光を浴びることが大切です。朝の光を浴びることで、体内時計も整い、1日のリズムが安定するようになりますよ。

日光を浴びることで得られる安眠効果

日光を浴びることは、夜の睡眠にも大きく関わっています。セロトニンは夜になると、メラトニンという睡眠を促すホルモンに変わります。メラトニンの働きにより、深い眠りが得られ、翌朝の目覚めもすっきりとしたものになります。

特に高齢になると、睡眠が浅くなる傾向がありますが、日中にしっかりと日光を浴びることで、夜の眠りの質を向上させることが可能です。また、規則正しい生活習慣を取り入れることで、さらに安定した睡眠サイクルが得られます。

逆に、日光を浴びる時間が少ないと、メラトニンが十分に生成されず、夜にしっかり眠れなくなることがあります。結果として、昼間に体がだるく感じたり、気分が落ち込む原因となることもあるのです。毎日の生活に少しでも日光を取り入れることで、睡眠の質が大きく改善され、より良い生活リズムを手に入れることができるでしょう。

食事の工夫で老化を遠ざける|肉の摂取を推奨する理由

「70歳が老化の分かれ道」では、老化を防ぐために食生活が非常に重要であるとされています。特に、歳を重ねても肉を食べることが推奨されています。肉にはセロトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれており、この栄養素が脳の働きを助け、意欲を高める役割を果たします。また、適度なコレステロール摂取も、意欲や活力を維持するために必要です。老化を防ぎ、元気に日々を過ごすためには、食事内容を見直すことが大切です。

セロトニン分泌を促進するための食事法

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を明るくし、意欲を高める効果があります。このセロトニンを十分に分泌させるためには、トリプトファンを多く含む食事が必要です。肉にはこのトリプトファンが豊富に含まれているため、積極的に摂取することが勧められています。

セロトニンの分泌が増えると、気分が安定し、心身ともに活力を感じやすくなります。高齢になると、セロトニンの生成量が自然と減ってしまうため、食事から必要な栄養を取り入れることが重要です。肉を取り入れたバランスの良い食事が、老化の進行を遅らせる助けになるのです。

ただし、肉だけに頼らず、魚や豆類、ナッツ類もトリプトファンを含んでいるため、バランスよく取り入れることが理想です。毎日の食事に少しずつ工夫を加えていけば、自然とセロトニンの分泌量が増え、気持ちの安定にもつながります。

コレステロールを気にしすぎないことが大切な理由

高齢になると、コレステロールを気にして肉を避ける人が多いですが、「70歳が老化の分かれ道」では、コレステロールを過度に気にすることは逆効果だと指摘されています。コレステロールには、ホルモンの生成や細胞膜の維持など、体内で重要な役割を果たす働きがあります。

特に、男性ホルモンであるテストステロンは、活力や意欲を保つために欠かせません。このホルモンの生成にコレステロールが必要です。コレステロールを減らしすぎると、男性ホルモンの生成が減少し、気力や集中力が低下する原因にもなりかねません。ですので、適度に肉を食べることが大切です。

もちろん、バランスの良い食事を心掛けることが前提となりますが、コレステロール値ばかりを気にして肉を避けてしまうのは、健康面でかえってマイナスになる可能性があるのです。肉を食べる際も、脂肪分の少ない部位や、質の良い肉を選ぶようにしましょう。

高齢でも積極的に肉を食べるべき理由

高齢になっても肉を積極的に食べるべき理由は、単にセロトニン分泌を助けるだけではありません。肉は筋力維持にも欠かせないタンパク質の供給源であり、老後の健康維持に非常に重要です。筋力が衰えると、転倒や怪我のリスクが高まり、寝たきりになる可能性も増します。日々の食事でタンパク質を十分に摂取することで、筋力を保つことができるのです。

さらに、肉にはビタミンB群や鉄分も多く含まれており、これらの栄養素はエネルギー代謝を助け、疲労回復にも役立ちます。高齢になると体力の低下を感じやすくなりますが、肉をしっかり摂ることで日々の活力を維持することが可能です。

年齢を重ねるごとに、食生活の重要性が増してきます。肉を取り入れたバランスの良い食事を続けることが、老化を防ぎ、元気に過ごすための鍵となります。

健康数値に一喜一憂しない|血圧や血糖値との向き合い方

「70歳が老化の分かれ道」では、70代になると健康診断の数値に過度に反応する人が増える傾向があると指摘されています。しかし、血圧や血糖値を正常にすることばかりを目標にするのは逆効果になる場合があります。著者の和田秀樹氏は、少し高めの数値でも問題にならない場合もあると述べており、数値だけに囚われず、日常の生活の質を重視する姿勢が重要だと強調しています。血圧や血糖値を適度にコントロールしつつ、日々の生活を楽しむことが長寿と幸福感につながります。

血圧や血糖値を気にしすぎると老化を加速する理由

高齢になると、血圧や血糖値が少し高めになるのはよくあることです。しかし、これらの数値を気にしすぎると、薬に頼りすぎてしまいがちです。薬の過剰摂取は体に副作用を及ぼし、頭がぼーっとしたり、体がだるく感じたりすることがあります。これにより、生活の質が低下し、結果として老化を早めてしまう可能性があります。

特に、日本では血圧や血糖値の数値を厳格に管理することが一般的です。しかし、著者は、数値がやや高めであっても、日常生活に大きな支障がないのであれば、無理に薬で数値を正常に戻そうとするのは避けた方が良い場合もあると提言しています。もちろん、自己判断で薬を止めることは危険ですが、医師としっかりと話し合い、最適な治療方針を決めることが大切です。

健康数値の見直しと医師との対話が重要

血圧や血糖値を一時的に下げるために薬を使うのではなく、食事や運動、日常生活の改善を心がけることが、より長期的な健康に役立ちます。たとえば、少し散歩を増やすだけで血圧が下がることがあります。また、食事に気を使い、塩分や糖分を適度に制限することも効果的です。

著者の和田氏は、医師との対話が重要だと強調しています。医師に言われるままに薬を飲むのではなく、リスクや副作用についてもよく相談し、自分の体に合った治療方法を選ぶことが大切です。医師との関係を築きながら、自分の体の状態を理解し、健康管理をすることで、老化を防ぎつつ生活の質を維持できます。

ガンと老後の付き合い方|70歳以降は手術を避けるべき?

「70歳が老化の分かれ道」では、老後におけるガンとの向き合い方についても重要なメッセージが語られています。70歳を過ぎてからガンの手術を受けることは、体力を大きく消耗させ、老化を加速させる可能性が高いと言われています。特に、転移しないタイプのガンの場合、無理に手術を行う必要がないケースが多く、体に負担をかけない治療法を選択することが推奨されています。この考え方に基づいて、自分の体に合った方法を選び、老後を豊かに過ごすことが大切です。

転移しないガンは手術をしない方が良い理由

ガンが発見された場合、特に転移がないガンであれば、手術を避ける方がよい場合が多いとされています。特に高齢者の場合、ガン手術を行うと、体力が大きく消耗し、回復が遅れることが一般的です。70代以降では、体の回復力が衰えているため、手術をすることでかえって別の病気を引き起こすリスクが高まる可能性があります。

著者の和田秀樹氏は、ガンが命に直接影響しない場合や転移のリスクが低い場合、無理に手術を行う必要はないと指摘しています。実際、老年医学においては、手術を回避し、生活の質を保つことが重要視されています。ガンとの付き合い方は「治すこと」よりも、「共存すること」に重点を置く方が、老後の生活の質を向上させることにつながるのです。

ガン治療における身体の負担を最小限に抑える方法

ガン治療において、手術以外の選択肢を考慮することも大切です。手術を避けることで、体への負担を最小限に抑え、老化を加速させない方法を選ぶことが可能です。たとえば、放射線治療やホルモン療法など、体力を奪わない治療方法があります。これらの方法は、特に高齢者にとって、体の機能を維持しながらガンと共存していくための有効な手段です。

また、ガンがあっても症状が現れない場合や進行が非常にゆっくりの場合、あえて治療をせずに様子を見る選択肢もあります。体に負担をかけないことが、結果として健康寿命を延ばす効果を生むことが多いのです。ガン治療に関しては、自分の体調やライフスタイルを考慮し、無理のない治療法を選択することが最も重要です。

体に優しい治療方法を選び、生活の質を維持しながらガンと付き合うことで、老後も元気で過ごすことができるようになりますよ。

うつのリスクに注意する|セロトニン減少と老後のメンタルケア

「70歳が老化の分かれ道」では、老後におけるうつのリスクについても強調されています。セロトニンは精神的な安定に不可欠なホルモンですが、70代に入るとその分泌が大幅に減少する傾向があります。これにより、うつ病や不安感、気力の低下といった症状が現れやすくなります。こうしたリスクに対処するためには、セロトニンの分泌を促す生活習慣を意識的に取り入れることが重要です。日光を浴びたり、肉を食べるなど、日常生活に少しの工夫を加えるだけで、メンタルケアに大きな効果が期待できます。

セロトニン不足によるうつ病リスクを減らす方法

セロトニンが不足すると、精神的なバランスが崩れ、うつ病や不安障害のリスクが高まります。特に70代では、セロトニンの分泌が低下しやすく、これが原因で気分の落ち込みや無気力感が増加することが多いです。このため、セロトニンを増やすための習慣が必要です。

セロトニンは日光を浴びることで分泌が促進されます。毎日少しの時間でも外に出て、太陽の光を浴びることがうつ予防に役立つのです。また、肉類にはセロトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれており、これを摂取することも重要です。これにより、セロトニンの生成を助け、気分の安定を図ることができます。

さらに、運動もセロトニンの分泌を促進します。激しい運動でなくても、散歩や軽い体操で十分です。毎日の生活に意識的にこれらの習慣を取り入れることで、メンタルの健康を維持しやすくなりますよ。

早めに精神科にかかる重要性とその対処法

精神的な不調を感じたとき、早めに精神科を受診することが大切です。うつ病は早期発見・早期治療が効果的であり、深刻化する前に対処すれば、元気な生活を取り戻せる可能性が高まります。しかし、多くの人は精神科に対して抵抗を感じ、相談を先送りにしがちです。

精神科は心の病気に対する専門的なアプローチを提供する場所であり、決して特別な存在ではありません。著者の和田秀樹氏も、風邪を引いたときに病院に行くように、心の不調にも気軽に相談することが重要だと述べています。精神科の治療では、カウンセリングや薬物療法など、症状に応じた適切なケアを受けることができます。

早期に対処することで、うつ病の進行を食い止め、日常生活への支障を最小限に抑えられます。心身の健康を維持し、老後を充実したものにするためにも、精神的な不調を感じたら、迷わず医師の力を借りることが大切です。

70代を迎える前に知っておきたい老化防止の秘訣

今回の記事では「70歳が老化の分かれ道」の要約を通じて、70代以降に老化を遅らせるためにできることについて解説しました。この記事のポイントをまとめましたので、最後におさらいしましょう。

  • 仕事を続けることで脳の活性化を保つ
  • 趣味を持ち、退職後の喪失感を防ぐ
  • 日光を浴びてセロトニンを増やす
  • 肉を食べ、セロトニンと筋力維持に役立てる

これらの取り組みは、すぐに実践できる簡単な内容です。続けることで、70代以降も元気で健康的な毎日を過ごせるはずです。健康的な老後を迎えるために、今日から少しずつ取り組んでみてください。この本を読むことで、あなたの老後が明るく前向きなものに変わりますよ。


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