本の基本情報
著者プロフィール
生方正
明治大学客員研究員
https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866213330/
高校卒業後に海上自衛隊に入隊。海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。勤務のかたわら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行ない、定額積立貯金、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを実施することで億の資産を築く。
入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」のすべてを達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。
著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)。
朝日新聞社Webメディア「telling」にて「ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール」を連載中。オンライン授業「Schoo」でお金に関する授業を担当中。このほかメディア出演多数
本書の要点
- 節約で生まれたお金を投資に回すことで、収入の向上や資産形成の可能性が広がる。単に貯金するよりもお金を増やす効果が期待できる。
- 消費・浪費・投資の3つの支出を理解し、投資を優先する意識が重要。例えば、知識や経験、時間の短縮にお金を使うことで、生活の質が向上し将来的な収入増加にもつながる。
- 知識への投資として本や資格の取得にお金をかけることで、収入アップや新しい仕事の機会が得られる可能性がある。
- 生命保険や高額な家賃、自動車の維持費など、生活費の見直しを徹底し、無駄な支出を避けることで投資に充てる資金を確保する。
- 節約はストレスの少ない範囲で行うのが理想。家計簿アプリなどで支出の管理をしながら、無理のない節約を心がけ、継続的に資産を積み上げていくことが鍵となる。
攻めの節約で得る「知識」と「経験」への投資
節約と聞くと、まず「支出を抑えて貯金する」ことを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、「攻めの節約」では、無駄を減らして浮いたお金を「投資」に回すことが最も重要と説いています。消費や浪費とは異なり、投資は未来の自分を成長させるための使い方です。そのためには知識や経験を積むために、自己投資を惜しまないことがポイントです。
消費・浪費・投資の3つの違いとは?
「攻めの節約」では、まずお金の使い道を3つに分けて考えることから始めます。「消費」「浪費」「投資」という3つの使い方です。この区別がつくと、何にお金を使うべきかがよりはっきりしてきます。まず、「消費」は、生活するうえで避けられない支出です。家賃や光熱費、食費など、最低限必要な出費が該当します。
次に「浪費」は、なくても問題ない贅沢な支出です。つい買ってしまうスイーツや衝動買いの洋服などがこれに当たります。生活に役立たないことが多く、節約したいならまず削減するべき出費です。そして「投資」。これは、自分の将来に価値をもたらすための支出です。たとえば、知識やスキルを得るための書籍や資格、時間を生み出すための便利な家電やサービスが投資にあたります。
このように、無意識の浪費を減らし、消費を管理しながらも、投資にお金を回すのが「攻めの節約」の基本です。
お金持ちは「投資」を優先する理由
お金持ちの多くは、お金を浪費せず、自己成長のために「投資」することを優先しています。この理由は、投資することで自分に価値を与え、将来的な収入を増やせるからです。例えば、本を読んで知識を身に付けたり、新しい技術を学ぶためにスクールに通ったりすることは、投資の良い例です。
また、投資を通じて得た知識やスキルは、自分自身の「価値」を高めます。お金をただ貯めるのではなく、未来の自分を育てるための使い方として、消費や浪費とは違う意識で投資することが重要です。お金を稼ぐだけではなく、自分に投資して将来の収入源を増やすことで、より豊かな人生を目指すのが「攻めの節約」の本質です。
貯金ではなく投資が未来の資産になる理由
貯金と投資は似ているようで、その効果は大きく異なります。単に貯金をしてもお金が増えるわけではなく、物価の変動やインフレにより実質的な価値は下がる可能性があります。しかし、投資ならばお金を増やすチャンスが広がります。知識や経験に対する自己投資や、収入を得るための資産形成などにお金を使うことで、未来に価値をもたらすことができます。
例えば、自己投資によって新しいスキルや知識を得ることで、自分の市場価値が上がり、キャリアのチャンスも広がります。また、学びや成長のためにお金を使うことは、将来的な利益にもつながり、単なる貯金よりも長期的に資産を増やす効果が期待できます。「攻めの節約」では、貯金に囚われず投資に重点を置くことで、未来を豊かにしていく方法を学ぶことができます。
知識にお金を使う重要性
お金を無駄にしないための「攻めの節約」では、単に倹約するだけではなく、未来に投資するための知識が不可欠です。知識は人生の選択肢を増やし、長期的に収入や成長につながる大きな資産です。成功者の多くが意識的に知識にお金を使い、自己成長に結びつけています。ここでは、知識に投資することの重要なポイントを具体的に解説していきます。
成功者の考え方を知る読書の効果
「攻めの節約」では、書籍によって成功者の考え方に触れることを知識投資の基本としています。書籍は少額で得られる情報量が多く、何度も読み返せるため非常に有用です。例えば、成功者が実践した思考法や習慣を本を通して学ぶことで、自己成長に役立つ考え方を身に付けることができますよね。
ビジネス書や自己啓発書には、具体的なスキルだけでなく、物事の捉え方や行動の仕方が書かれています。これらの書籍を20〜30冊読み込むと、多くの共通した考え方が見えてきます。そうすることで、自然と自分の行動も変わっていき、成功者に近い思考が身に付きます。もし、仕事や家庭の都合で忙しくても、短時間で読める書籍や要約本を利用するのもおすすめです。
若いうちから知識に投資するメリット
若い時期から知識に投資することで、将来的な収入や機会の増加が期待できます。特に20代や30代での知識投資は、その後の収入や生活の質を大きく向上させます。若いほど、学んだことを実践に移しやすく、そこからの成長も早いため、知識の吸収が早いこの時期に投資することは重要です。
また、知識を持つことで仕事での信頼も増し、新たなチャンスが得やすくなります。経験の浅い若い時期だからこそ、新しいことに積極的に取り組む姿勢が求められます。そして、キャリアの早い段階で培ったスキルは、その後の土台として非常に役立つでしょう。
自己成長につながる知識投資の方法
知識投資には、書籍の購入や資格取得、オンライン講座の受講などがあり、これらは未来の収入やスキルアップに役立ちます。書籍はコストを抑えて知識を得られるため、多くの分野に挑戦できる利点があります。さらに資格取得は、専門知識が必要な職種でのキャリアを広げるきっかけとなります。
近年ではオンライン講座も非常に充実しており、忙しい日々の中でも自分のペースで学習可能です。特にプログラミングや語学などのスキルは、成長産業で活用できるため、収入増加に直接つながることが多いです。少額から始められる投資でも、知識の質と量を積み上げれば、将来的な収入アップの土台を作れます。
時間を生み出すものに投資する理由
「攻めの節約」では、知識と同じくらい「時間」も貴重な資産と考えます。何にでも使える時間があれば、ビジネスやプライベートの充実度も上がります。しかし、現実には多くの人が時間を無駄に消費してしまいがちです。そこで、生活を効率化し、時間を「買う」ための投資について具体的に見ていきましょう。
時間の短縮が生活の質を上げる
時間を生み出すことは、日々の充実感や効率の向上に直結します。著者は、単なる倹約だけでなく、「攻めの節約」の手法として、時間短縮を可能にする投資を推奨しています。なぜなら、時間を作ることが、自分の大切なことに専念できる豊かさにつながるからです。
例えば、毎日の家事で時間が取られる人は、洗濯物を自動で乾かしてくれるドラム式洗濯機や掃除ロボットのような便利家電に投資することで、自由な時間を増やせます。洗濯物を干す手間が省けるだけでも、年間に何十時間もの時間を他のことに費やせるでしょう。時間を節約する家電の導入は、仕事や趣味など、他に使いたい時間を確保するうえで非常に有益です。
時間を買う家電の賢い選び方
時短家電は数多く存在しますが、「攻めの節約」では、高機能家電の選び方についても重要視しています。節約を目的としながらも、思い切ってドラム式洗濯機や高性能パソコンに投資することで、長期的に見て自分の時間を確保できるのです。
例えば、高速処理ができるパソコンに買い替えることで、仕事や勉強での作業時間が効率化し、時間の無駄を省けます。古い家電ではかかってしまう手間を省き、時短のための家電を賢く取り入れることで、毎日の生活がスムーズになり、余裕が生まれます。このように「攻めの節約」では、生活の質を高める時短家電を上手に活用することを提案しています。
タクシーなど移動時間の効率化
日常の移動時間も見逃せない要素です。通勤や移動にかかる時間は、気づかないうちにかなりの時間を消費しています。そこで、「攻めの節約」では、必要に応じてタクシーや新幹線などの交通手段を活用し、時間を買う意識を持つことを提案しています。
特に長時間の通勤が続く人には、会社の近くに引っ越す選択も検討する価値があります。通勤時間を減らすことで、仕事の前後に充実した時間が増え、仕事の生産性も上がるためです。また、移動時間が短くなることで、心身の負担も減少し、健康面でも良い効果が期待できます。
経験への投資が人生を豊かにする
「攻めの節約」では、ただ貯金するだけでなく、充実した経験にお金を使うことも提案しています。経験に投資することで、他者と価値観を共有できる話題や、人生の質を高めることができます。また、興味深い経験は人間関係を広げるきっかけにもなり、最終的に資産形成に役立つのです。ここでは、経験に投資する意義と具体的な活用法について詳しく解説します。
お金を使って得る「価値ある経験」とは?
「価値ある経験」とは、日々の生活を豊かにする経験や他者との共通理解を深める経験のことです。具体的には、旅行や挑戦的な趣味、高品質な食事体験などがあたります。旅行は異なる文化や歴史を学ぶ機会が多く、自分の視野を広げることができますよね。
他にも、特別な体験に投資することで、それ自体が思い出となり心に残ります。単に物を買うよりも、価値ある経験にお金を使うことが「攻めの節約」における投資の意味です。たとえ、他者から見て「高い」と思われる体験でも、自分が得た学びや充実感が大きければ、それは十分に価値ある投資といえます。
他者との会話が弾む体験にお金を使う利点
会話のネタになるような特別な体験は、人間関係を深める際に役立ちます。たとえば、富士山に登った経験を持つ人と、海外で登山した経験を持つ人では話題の広がりも異なります。海外の山を登った経験があると、話を聞きたくなる人も多いですよね。
特別な体験をしていると、普段の会話の中で自然とその話題が登場し、他者の興味を引きつけます。これにより、相手との距離も近づきやすくなります。また、話題が豊富な人は周囲に好印象を与えるため、結果的にビジネスや仕事でのつながりも増えるでしょう。「攻めの節約」では、こうした人間関係を広げるためにも経験に投資することを勧めています。
人間関係を広げ、富を築く経験の重要性
充実した経験に投資することで、人間関係が広がり、それが仕事やキャリアに活かされる可能性が高まります。実際に、仕事の機会や情報は多くの場合、人からもたらされるものです。新しい経験を積むことで話題が増え、他者との交流がより円滑になります。
例えば、高価なものを手に入れるよりも、そこで得た経験が後に役立つことも多いです。特にビジネスの世界では、共通の経験や話題があることで信頼を築きやすくなります。人生においても、得られる経験は将来の富を築くための土台になるのです。経験を積むことで自己価値も高まるため、「攻めの節約」では、経験への投資を優先的に行うことが提案されています。
節約と投資に回すお金のバランス
節約で生み出したお金を効率的に投資に回すためには、支出の見直しが欠かせません。「攻めの節約」では、支出の中でも特に固定費を削減することが重要だと述べています。生活費の中でも大きな割合を占める家賃や保険、自動車の維持費を見直すことで、浮いたお金を投資に充てることが可能です。ここでは、その具体的な方法と意識改革のポイントを解説します。
大きな支出を見直して節約する
節約を成功させるカギは、日常の小さな支出を抑えることよりも、家賃や保険料といった大きな固定費を減らすことです。家賃は月々の生活費に大きく影響する項目の一つ。職場に通うために高額な家賃を払う必要がある場合も、他の選択肢を検討する価値があります。
例えば、職場の近くに引っ越して通勤時間を短縮することで、家賃を下げると同時に時間も節約できます。また、車を手放し公共交通機関を利用すれば、駐車場代やガソリン代、車検費用といった維持費が減り、さらに大きな節約効果が期待できます。このように、支出の削減には一度の見直しで効果が続く固定費のカットが特に重要です。
家賃や自動車維持費を減らす方法
家賃や自動車の維持費を見直すことで、大きな支出を減らし、余裕資金を作りやすくなります。家賃に関しては、実家に住むことが可能ならば、それも節約には非常に効果的です。住居にかかる費用が減ることで、投資に回せるお金も大幅に増えるでしょう。
自動車に関しても、都市部での生活なら、車の必要性を考え直すこともおすすめです。車の維持費は年間で数十万円に達することもあり、移動手段としては公共交通機関やシェアリングサービスで代替可能な場合も多いです。支出の中で大きな割合を占める家賃や自動車費用の見直しは、投資に回す資金を確保するための有効な手段です。
保険料の見直しで無駄を省く
保険料は見直しを怠りがちな費用の一つですが、加入中の保険が本当に必要かを考えることも重要です。「攻めの節約」では、生命保険に入らず、その費用を自己投資や株式運用に回すことを推奨しています。確かに、多額の保険料を払い続けるより、生活に必要な保険だけを厳選する方が効果的です。
例えば、国民健康保険がある日本では、生命保険や傷害保険に過剰に加入する必要はありません。医療費の大部分は健康保険で賄えるため、追加の医療保険が不要なケースもあります。不要な保険料をカットし、その分を自己成長や資産形成に活用することで、将来的に大きな利益を得られる可能性が広がります。
家計管理アプリで支出を把握する
「攻めの節約」を効果的に進めるためには、まず自分が何にお金を使っているのかを正確に把握することが大切です。特に家計管理アプリを使えば、無駄遣いを可視化し、節約や投資に充てるお金を明確にすることができます。日々の支出を記録し、それらを見直すことで、無意識に行っている浪費に気づくきっかけになります。
家計簿アプリで無駄な支出を視覚化
家計簿アプリは、支出を一目で把握できる優れたツールです。アプリを使用することで、自分がどこにお金を使っているのかがわかり、無駄な支出が一目でわかるようになります。月々の出費がグラフやリストで整理されるため、視覚的に「浪費」を見つけやすい点がメリットです。
多くのアプリでは、自動で収支を分類してくれる機能があり、食費や交際費、固定費などが整理されるため、何にお金を使っているかが明確になります。また、銀行口座やクレジットカードとも連携できるアプリも多く、手間なく収支を一括管理できますよね。こうしたデジタルツールを活用することで、日常の支出に対する意識も高まります。
定期的な支出チェックで浪費を防ぐ方法
家計管理アプリを使用したら、次に行うべきなのは定期的な支出の見直しです。毎月一度、自分の出費を振り返り、「今月の浪費はなかったか?」とチェックする習慣をつけることが大切です。目標を設定し、浪費を減らすための具体的な改善策を検討するのも良い方法です。
例えば、食費が毎月予算を超えている場合、コンビニの利用頻度を減らしたり、まとめ買いで無駄を防いだりすることで改善できます。自分の支出を分析して調整することで、少しずつ無駄が削減され、浮いたお金を貯蓄や投資に回せますよね。定期的なチェックは、「攻めの節約」を実践するうえで重要なステップです。
具体的な節約方法と実践のコツ
家計管理アプリを使って無駄な支出が把握できたら、いよいよ具体的な節約方法に取り組みましょう。まず、外食や買い物など、日常で無駄になりやすい支出を減らすことから始めるのが効果的です。ランチを持参したり、外出時の飲み物を自宅から持参するなどの方法がすぐに実践できます。
さらに、必要ないサブスクリプションサービスの解約や、使わなくなったジムの会員費などを見直すと、意外と大きな節約ができます。日々の支出を一度に大きく変えるのではなく、少しずつ改善していくことが長続きの秘訣です。「攻めの節約」では、無理なく効果的に節約を進められるよう、こうした具体的なコツも重要視しています。
攻めの節約で未来を豊かにするための方法を学ぶ
今回の記事では「攻めの節約」の内容について、節約と投資によって資産を築く方法を紹介しました。この記事のポイントをまとめましたので、最後におさらいしましょう。
- 浪費を削減し、知識や時間への投資を優先する
- 家計管理アプリを活用して支出を把握する
- 固定費を減らし、余剰資金を投資に活用する
浮いたお金を将来の成長や充実に繋げるために、投資を習慣にしましょう。未来の生活をより豊かにするために、まず行動を始めてください。今回の内容で、「攻めの節約」によって人生が変わると感じていただけると嬉しいです。
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