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【「普通がいい」という病】要約|心に従う生き方で得られる真の幸福

本の基本情報

【「普通がいい」という病】要約|心に従う生き方で得られる真の幸福
ジャンル 自己啓発
著者 泉谷閑示
出版社 講談社
出版日 2006年10月21日
評価
総合
4.3
革新性
4.5
明瞭性
4.0
応用性
3.8

著者プロフィール

泉谷閑示

1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。精神科医。東京医科歯科大学医学部附属病院医員、財団法人神経研究所附属晴和病院医員、新宿サザンスクエアクリニック院長等を経て、現在、精神療法を専門とする南青山泉谷クリニック院長。日本芸術療法学会会員。1999年フランスに渡り、パリ・エコールノルマル音楽院に留学。パリ日本人学校教育相談員をつとめた。これまでに、学会等での講演やカウンセリング講座の講師、短大・専門学校等で精神医学や心理学の講師をつとめる。その他、雑誌等への寄稿もおこなっている

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784061498624

本書の要点

  • 人は他人と違う「角」すなわち個性を持って生まれてきたが、多くの人がその個性を隠し、「普通」であろうとするため、自分らしく生きられず、精神的な負担を感じやすくなっている。
  • 「普通」とは単に多数派を意味し、本来良いも悪いもないものだが、少数派であることが「悪」とされる風潮により、個性が排除されることが多い。その結果、孤独や不安を感じ、「普通」に合わせることで孤独を避けようとするが、根本的な孤独の解消にはならない。
  • 現代人は頭で理性的に考えるあまり、心の声を無視して生活しがちであり、心の欲求に従わないことでうつ病や不眠といった問題が発生する。心からやりたいことを素直に実行することが重要である。
  • ネガティブな感情も自分らしさの一部であり、それを抑えるのではなく表現することが大切である。感情をノートに書き出すなどして心のバランスを保つ方法が有効であるとされている。
  • 真の幸せや満足感は、他人に合わせることではなく、自分の個性を発揮し、心から満たされる生活を送ることから得られる。また、自己を満たした上で他者との関係を築くことで健全な人間関係が育まれる。

「普通がいい」という思い込みが生きづらさを生む

「普通でいたい」という思いが、知らず知らずのうちに自分の個性や本来の生き方を押し込めてしまっていることが少なくありません。本書では、他人と異なる「角」すなわち個性を持つことが人間の本質であり、それを隠そうとすることでかえって生きづらくなる様子が解説されています。ここでは、なぜ「普通」という考えが私たちに窮屈さを感じさせるのか、そしてそれをどう克服していけば良いのかを紹介していきます。

他人と異なる「角」が個性を象徴する

人はそれぞれ異なる「角」を持って生まれていると著者は言います。この「角」とは、他の人とは異なる特徴、つまり個性を表しています。例えば、メイド服を着るのが好きな人や、個性的な趣味を持つ人がいると、周囲は「変わっている」と感じることがあるでしょう。けれども、その「変わっている」と言われる部分こそが、自分らしさであり、他人との差別化を示す大事な個性なのです。

しかし、こうした「角」が目立つと、周囲からの視線や評価を気にしてしまい、無意識のうちにそれを抑え込もうとする人も多いのです。すると、自分のやりたいことや、なりたい自分を抑えつけ、窮屈に感じることも増えてしまいます。本書は、こうした個性を堂々と表現することが、生きやすさや幸福感に繋がると説いていますよね。

個性を隠すと生きづらさが増す理由

多くの人が、他人からの評価を気にして自分の個性を隠そうとします。「普通」でいることで浮かないようにしたい、周囲の期待に応えたいという思いがあるからです。しかし、その結果、自分らしさを表現できず、本当の自分を押し殺す形になってしまいます。これは、ストレスや不安感、さらにはうつ状態を引き起こす原因にもなりかねません。

例えば、周囲の目を気にして趣味やファッションを控えめにしたり、発言を自制することで、自己表現ができないもどかしさが積もってしまいます。個性を出すことを諦め、「普通」でいることを選ぶことで、かえって息苦しさを感じるのです。本書では、こうした抑圧から解放され、個性を尊重する生き方の大切さが説かれています。

「普通」は本当に良いのか?多数派と少数派の意味

「普通」は多くの人が選ぶ道であり、多数派であることを指しています。しかし、それが本当に「良いこと」かどうかは別問題です。著者は、「普通」はただ人数が多いだけであり、それに特別な価値があるわけではないと語っています。少数派だからといって劣っているわけではなく、むしろ自分の好みや価値観に従って選ぶことこそが大事なのです。

たとえば、YouTuberやプロゲーマーといった職業は、一般的には「普通の仕事」と見なされにくいでしょう。しかし、それぞれの道を選んだ人たちは、自分の好きなことを追求することで充実感を得ています。著者は、多数派に合わせることよりも、少数派であることを恐れずに自分の個性を大切にする生き方を勧めています。

著:泉谷閑示
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普通でいようとする心理とそのリスク

私たちは孤独を避けるため、知らず知らずのうちに「普通であること」を選びがちです。しかし、無理に個性を抑えて周囲と同じように振る舞うと、心に違和感が積もり、かえって不安や窮屈さが増してしまいます。このような生き方が生み出すリスクについて詳しく見ていきましょう。

孤独を避けるために「普通」を選ぶ理由

人は、無意識に孤独を避けるために「普通」を選ぶ傾向があります。人と同じことを選べば、自分だけが「変わっている」と見なされる心配が減り、多数派に属する安心感が得られるからです。しかし、このような選択は「安心感」を得られる反面、「本当にやりたいこと」を抑え込む結果にもつながりやすくなりますよね。

このような心理の例として、著者は「普通の仕事」とされるサラリーマンと、少数派の職業であるYouTuberやプロゲーマーを取り上げています。多くの人はサラリーマンという選択をすることで安心感を得る一方、やりたいことを諦め、個性を抑え込みがちです。本書は、自分の価値観に従って行動することの重要性を訴え、他人の目ではなく「自分の心」に従う大切さを伝えています。

他者の目を気にしすぎる弊害とメンタルへの影響

多くの人が「変わっている」と思われるのを恐れ、他人の視線や評価に敏感になりすぎると、自分の生き方が歪んでしまうことがあります。このような状態では、行動が自然ではなくなり、本来の自分を表現できなくなるため、強いストレスを感じることが増えるのです。

周囲に合わせ続けることで、自分の感情や考えを抑え込み、個性を発揮できなくなってしまいます。その結果、メンタルにも影響が出やすくなり、特にストレスや不安が慢性的になりかねません。心からの笑顔が少なくなり、疲れを感じる日々が続くようであれば、自分を押し殺していないか、一度立ち止まって見直してみることが大切ですよ。

真のつながりを得るには個性を尊重することが大切

「普通」に従うだけの生き方では、本当に価値観の合う人とのつながりを得ることは難しくなります。自分を偽ってしまうと、表面的な関係ばかりになり、深い信頼関係や理解が生まれにくくなるからです。

たとえば、メイド服が好きで着たいと思っても、周囲の視線が気になって実行できないことがあります。しかし、自分の好きなことに素直になれると、同じように趣味を共有できる人との出会いが増えるものです。本書は、このような「個性を尊重した生き方」によって、より深い絆を築き、自分らしく生きることで得られる人間関係の豊かさを伝えています。

著:泉谷閑示
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心に従わないことで起きる心身の問題

本書では、頭で理性ばかりを重視し、心の声を無視することがどれほどの負担になるかを強調しています。現代人の多くは「普通」であることに縛られ、やりたいことを抑えてしまうため、心が疲れやすくなっているのです。心と体の関係性を理解し、自分の気持ちに素直になることで精神的な健康を取り戻すヒントを探っていきましょう。

頭で考えすぎる生活がストレスを生む仕組み

私たちは、周囲に合わせようとするとき、頭で理性を働かせ、心の声を後回しにすることが多いです。このような習慣が定着すると、やりたいことができず、次第にストレスが溜まりやすくなります。特に現代社会では、「普通」に沿った選択が良いとされるため、頭での判断が重視されがちです。

この「頭」と「心」のバランスが崩れると、心から楽しみを感じる機会が減り、満たされない感覚が日常的に続いてしまいますよね。著者は、このような生き方ではメンタル面に負担がかかり、気づかないうちに心が窮屈になっていると指摘しています。少しでも自分の心に耳を傾ける時間を増やし、日々の生活にゆとりを取り入れることが大切だと本書は教えてくれます。

心の声を無視すると起こりやすい不眠やうつ症状

やりたいことや好きを我慢し続けると、夜に眠れない不眠や気分が沈むうつ症状が起こりやすくなると言われています。これは、心から満足する日を送れていないため、寝るときに「もっと好きなことがしたい」という未練が残るからです。著者も、心から満足した日を過ごせば子供のように心地よく眠れると述べています。

自分の感情を無視し、頭ばかり使って理性的な判断に従う生活を続けると、うつ病や適応障害のリスクも高まります。これは、心の声に耳を傾ける時間が足りないからです。無理なく、心のままにやりたいことを選び取っていくことが、長期的な健康に繋がると感じさせられる内容ですね。

心のままに行動することで得られる精神的な健康

心に従う生き方は、精神的にも大きな健康効果をもたらします。自分の気持ちややりたいことに正直になると、「やらされている感覚」が薄れ、毎日が前向きに変わるのです。この自由な感覚は、メンタルの強化にもつながり、自然体でいられる喜びが得られるものです。

著者は、頭で考えることをやめ、心が望むままに行動することがメンタルケアにも効果的だと述べています。心の欲求に沿った行動をすると、自分を大切にしている実感が持て、気持ちが軽くなります。日常生活の中で少しずつ「心の声」を取り入れることが、自分らしい生き方への第一歩だと教えてくれる一節です。

著:泉谷閑示
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ネガティブな感情も大切にする理由

私たちは、怒りや悲しみといったネガティブな感情を抱くことを「良くないこと」として抑え込んでしまいがちです。しかし、こうした感情も「自分らしさ」の一部であり、健全に表現することが心の健康にとって重要です。本書では、ネガティブな感情を適切に受け入れることが、どのようにポジティブな変化につながるのかを深く掘り下げています。

怒りや悲しみも自己の一部と捉える

怒りや悲しみといった感情は、避けるべきものではなく、自分を知るための一部だと著者は述べています。これらの感情は、自分にとって大切なものや、自分がどのように扱われたいかを示す重要なサインです。そのため、「怒りはダメ」「悲しんではいけない」と無理に押さえ込むのは心に負担がかかりますよね。

こうした感情が湧いたとき、それをただ感じてみることで、本当に望んでいるものが何かに気づけることがあります。また、適切な形で怒りや悲しみを表現することにより、自分の心の健康が保たれ、ポジティブな感情が生まれる準備にもつながります。著者は、感情を否定せず、自分を大切にするために素直に向き合うことが大切だと教えてくれます。

感情を紙に書き出して心を軽くする方法

本書では、怒りや悲しみなどの感情を無理に抑え込まず、紙に書き出す方法が推奨されています。例えば、どうしようもない不満や不安を抱えたとき、それをノートに書いてみるだけで心が軽くなることがありますよね。この「書く」という行為は、感情を整理し、気持ちを外に出すのに役立ちます。

ノートに書く内容は、誰かに見せるわけでもないので、思っているままを正直に表現してかまいません。自分の気持ちを包み隠さず書くことで、心がスッと楽になることが多く、イライラやもやもやを解消するきっかけにもなります。日常生活で感じる不満やネガティブな感情を、このように紙に出すことから始めてみるのもよいでしょう。

ネガティブな感情を受け入れることで生まれる変化

怒りや悲しみといった感情に素直に向き合うと、その後のポジティブな感情がより深く感じられるようになります。たとえば、人間関係でも嫌いな人に対してイライラを感じることがありますが、それを受け入れて表現すると、自分にとって心地よい関係が築きやすくなります。

本書では、「感情の井戸」というイメージを通して、ネガティブな感情をまず認めることが、次に来るポジティブな感情を感じやすくすることを説明しています。このようにネガティブな感情を受け入れると、内面のバランスが取れ、心の余裕も生まれるため、穏やかで充実した日々を過ごしやすくなるでしょう。

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自己満足が幸せな人間関係の鍵となる

著者は「自己満足」の大切さについて強調しています。心から満たされている状態でないと、他人に何かをしてあげても素直に感謝の気持ちが生まれにくく、相手に対して不満が出やすくなるのです。自分をしっかり満たしたうえで他人と関わることが、健全な関係の基盤になります。本書での「5本のバナナ」の例はこの考えをよく表していますね。

自分を満たすことが他者への寛容さを育む

自己満足を得ると、他者に対しても寛容になりやすいです。心が満たされていると、「見返り」を求めずに他者と関わることができるからです。例えば、自分が十分に満たされていないと、他人の言動や評価に過敏になり、「もっと感謝してほしい」「自分も大事にしてほしい」といった不満が溜まりやすくなりますよね。

一方、自分を十分に満たした状態であれば、相手に何かしてあげても自然と「これで十分」と感じられるのです。著者はこの点について、自己満足がいかに他者との良い関係を築くかを強調しています。誰かに何かをしてあげる前に、まず自分が幸せであることが大事なのです。

「5本のバナナ」の例から学ぶ自己充足の重要性

「5本のバナナ」の例では、著者が自己充足の大切さを象徴的に表しています。たとえば、お腹が空いた状態でバナナを2本しか食べられず、残りの3本を友達に分けたとしましょう。その友達が何も感謝しなかった場合、不満や怒りがわいてくるかもしれません。しかし、もし3本食べてお腹が満たされてから、残りの2本を友達にあげたなら、その友達がどう反応しても気になりませんよね。

このように、自分をまず満たすことで、他人の反応に左右されない心の余裕が生まれます。本書では、自己充足が他人を幸せにする上でも必要不可欠であると解説されています。自分が幸せであることが、相手の反応に左右されずに他人と良好な関係を築く鍵だと伝わります。

自分を満たすことで健全な関係が築ける

自己満足を得ると、心に余裕が生まれます。そのため、他人に振り回されず、自分を保ちながら関係を築けるようになるのです。この心の余裕が、健全な人間関係を保つ上で重要な要素であると、著者は語っています。自己満足は決して利己的なものではなく、むしろ相手への思いやりや理解を深める基盤となるのです。

自分を満たしたうえでの行動は、自分も他人も幸せにできる行動に変わります。本書は、まず自分の心を満たすことで健全で強い人間関係が生まれることを教えてくれる、非常に実践的な内容ですよね。

著:泉谷閑示
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自分らしさを尊重することで得られる幸福

自分の個性や心の声に従う生き方は、自己充実だけでなく、深い意味での幸福をもたらします。周囲に合わせて「普通」を選ぶことでは得られない満足感や本当の仲間とのつながりが生まれるのです。本書では、自分らしさを大切にすることが、どのように日々の幸福や充実感につながるかを丁寧に解説しています。

孤独感の克服には個性の発揮が不可欠

「普通」に従うことで一時的には安心感が得られるかもしれませんが、長く続けると内面的な孤独が増すことがあります。周囲に合わせすぎてしまうと、自分の本音や個性を出せず、結果として「本当の自分」を理解してもらえなくなります。この孤独感は、周囲に囲まれていても感じることが多く、自分を偽っているときほど強まりますよね。

一方、自分の好きなことを素直に表現し、自分らしい生活を選ぶことで、同じ価値観や趣味を持つ人と自然に繋がりやすくなります。個性を活かして行動することで、心からの友人ができ、深い人間関係が築かれると著者は述べています。この過程で、「孤独を感じない日常」を過ごせるようになるのです。

共通の価値観を持つ人と出会いやすくなる

本書では、同じ価値観や趣味を持つ人と出会うには、自分の個性を大切にすることが大事だと説かれています。自分を抑えて「普通」に従っていると、他人からは理解されにくく、心の通じる仲間も見つかりにくいです。反対に、自分の好きなことや考えをはっきりと示すことで、共感できる人とつながるチャンスが広がります。

例えば、メイド服を着ることや、自分の趣味にこだわることが周りに知られれば、同じ趣味の仲間と自然に交流する機会が生まれるでしょう。本書では、こうした「自分を表現する行動」が心からのつながりをもたらす重要な手段だと述べられています。

自分らしく生きることで感じる充実感

心のままに生きることは、充実感と深い満足感をもたらします。自分を抑えることなく、好きなことや興味を持ったことに取り組むとき、やりがいや楽しさを感じる時間が増えていくのです。周囲の価値観に合わせるのではなく、自分らしくいられる喜びが、日々の活力にもつながります。

著者は、自分らしく生きることで、ストレスや不安が軽減され、自然な笑顔が増えると強調しています。好きなことに熱中することは、精神的な健康にもつながり、毎日の生活が生き生きと感じられるのです。

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普通にとらわれず自分らしく生きるためのまとめ

今回の記事では「普通がいい」という病の要約を通して、「普通」でいることにとらわれすぎず、自分らしく生きることの大切さについて解説しました。この記事のポイントをまとめました、最後におさらいしましょう。

  • 心の声を優先して自分らしさを発揮する
  • 個性を抑えず心に従って行動してみる
  • 自分を満たすことで他者にも寛容でいられる

普通に合わせず生きることで、心の健康も向上します。他者の目を気にせず、今から一歩ずつ自分の心に従って生活してみてください。日々の生活で感じている生きづらさに共感し、解決するための一冊を手に取ってみませんか?

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